一番大切なことをドッグトレーナー自身が見失う

今回、中西先生のセミナーを受講してみてまず一番に感じたことは、「今まで参加した犬のセミナーで一番愛のあるセミナーだった」ということです。

様々なセミナーを今まで受けてきましたが、トレーナー向けのセミナーだったこともあり、どちらかというと「知識や技術」に特化したセミナーばかりでした。もちろんそれらも一つの知識としてためにはなっていますが、知識の前にそもそもの犬との向き合い方という実は当たり前の大切なことを教えてくれた先生は中西先生だけでした。

自分自身もそうでしたが、「ドッグトレーナー育成」という名のビジネスの波に飲まれ過ぎてしまうと、この一番大切なことをトレーナー自身が見失い、結果、被害を受けている飼い主様や犬が増えてきてしまっているというなんともおかしな状況になっているのだと思います。

とは言え、やはりこのちょっとおかしな犬のしつけの波の中で、「そのしつけって必要なんですか?」というのはとても勇気がいることです。すでに情報に埋もれてしまった飼い主様のウロコをとる作業も、簡単なことではないと感じています。自分自身のウロコをとるのにも一苦労なのに、人のウロコをとるにはそれなりのテクニックが必要である、ということも今回のセミナーで強く感じたことです。

また、今回のセミナーでは「まずは自分自身のコップをいっぱいにすること」という大きなキーワードが私にとっては強く響きました。大学を卒業してから11年間、いわゆるサラリーマンとして組織で働いてきた私にとって、「会社のため、組織のため」というウロコが私を大きく覆ってしまい、自分のプライベートを犠牲にすることが「正」だと本気で思っていました。色んな葛藤を経て、やっとここ最近で本当に自分を大切に出来るようになってきたので、今回のセミナーで改めて自分を大切にしようと心に決めることが出来ました。

最後に、このセミナーと懇親会の席で強く感銘を受けたことが一つあります。それは、中西先生の「仕事への向き合い方」です。ただ仕事をするのではなく、使命感をもって社会に貢献していることが仕事になっている、ということです。

だからこそ中西先生の言葉は一つ一つ心に響いてくるのだと感じました。

このように、私にとって今回のセミナーは、まさしく「犬のことだと思ったら自分の生き方まで考えてしまった」セミナーでした。しかし、自分自身が満たされると心に余裕ができ、結果的にそれは愛犬にいい影響を与えるということを体感出来ましたので、今後もまずは自分と家族を一番大切にしつつ、一組でも多くの飼い主様と犬を幸せに出来るトレーナーになりたい…、いや、「なる!」と断言します。

<Y.Aさん>