通説に汚染されていた私!?

第1 はじめに

今回のセミナーに参加し,中西先生の考え方に出会い,犬との関係に関する私の見方は,明らかに進歩しました。感じていた違和感について整合性がとれ,犬の「問題行動」に途方に暮れていた日々が,楽しい日々に戻りました。

感想文を書くにあたり,自分に起きたことを,自分のために整理して書き残しておこうと思いました。長文になりますが,感想文を作成する契機を与えてくださったことに感謝します。

 

はじめに,私の犬歴を整理します。

私が最初に飼った犬は,小学4年生のときに自分で拾ってきたメスの野良犬で,次に迎えたのが,高校生のときに保健所から迎えたオスの雑種の子犬でした。いずれの犬も,当時のしつけ本を読んで,お座り,お手,伏せ,マテなどをひととおり教え,例のひっくり返して服従させる,という行為も行いました。外飼のその犬たちについて,何か人間側が困った,と思うことはありませんでした。

時を経て,7年前,自分の責任で初めて室内犬として飼ったのが,トイプードルのオスのミロでした。実はこの子については,4歳ころまで色々と大変でした。毎日自分のベッドにトイレをする,糞食,サークルをかじる,ベッドを破壊する,ハウスを拒否る,要求吠え,ドアホン吠え,男の人に吠える,などなど。もちろん,させないように「しつけ」ようとはしていましたが,それでもどこか,犬はこういうもの,という感覚があり,そこまで深刻に悩んではいませんでした(今では,ドアホン吠え以外,当時のような「問題」はほとんど見られません)。

ミロが2歳のときにやむを得ず犬飼いとなった夫と,私の当時の意見が一致して,3年前に迎えたのが,イタリアングレーハウンドのアンジェラ(♀)です。アンは,2歳ころまで,驚くほど人間にとって「いい子」でした。明るい性格で,ほとんど吠えませんでしたし,おトイレ博士。破壊したものといえば,アンの届くところに置いてあった夫の高級メガネくらい。

高速で走る姿が美しくて,遠方でもアンが走りやすいドッグランに行ったり,ドッグランが併設されている伊豆高原のペンションや,山中湖などにも足を延ばしたりするようになりました。

それが,2歳を過ぎたころから,リードでつないでいる状態のときに,他の犬に興奮して吠えたり,向かっていこうとしたりするという行動が起こり始めました。アンのそのギャン吠えに,私は,途方に暮れるという表現がぴったりの状況でした。そのようなときに,中西先生の「犬のモンダイ行動の処方箋1,2」と「よりそイズム」に出会ったのでした。

 

第2 セミナー参加の動機

1 アンのギャン吠えに途方に暮れる。

(1)アンのギャン吠え

アンが2歳を過ぎた頃だったと思うのですが,散歩中,すれ違う犬に吠えるようになりました。遠くの犬を見つけると興奮したり,旅行中にテラスなどで食事中,他の犬が近づくと吠える,抱き上げるともっと吠える,という行動がみられるようになりました。

特にギャン吠えが激しいのは,人間の食事中や公園のベンチで一休み中など,ひとどころに留まっている状況で犬が近づいてくる,という場面でした。そのため,はじめは,犬に来るなといっているのかと思い,犬から何か怖い思いをさせられたのだろうかと考えました。今となっては曖昧ですが,近所のドッグランでドーベルマンの子犬に追いかけられたことや,オオカミ犬に出会ったこと,コーギーに衝突されたことなどを思い起こしました。

しかし,いざ,ドッグランでノーリードにすると,しっぽをピンと立てて他の犬を追いかけるそぶりを見せますし,アンが追いかけることもあれば,追いかけられることもある。犬を怖がっているようには見えませんでした。

単純に犬が嫌いなのかなとも思いましたが,やはりノーリードでは適度に犬とあいさつをしますし,牙をむくことも追い払うこともないのです。

また,偶然,発見したことが,ミロがいない場面では,ややおとなしめになるということでした。ギャン吠えレベルは,10段階の2から3くらいになるのです。ドッグランで他の犬と1対1になる場面では,その犬の飼い主さんに「優しいワンちゃんですね」と言われるほど,ソフトにその犬を誘ったりすることもある。

今思えば,私が途方に暮れたのは,セミナーでもグループで話をしましたが,アンが「なぜ」ギャン吠えをするのかわからない!という点だったのだと思います。

 

(2)プロに任せてみようか

また,アンのギャン吠えの場合,自然,他の犬に会うのは外ですので,これまでのミロの室内での行動と違い,直接,周りに迷惑がかかります。また,上述のように,なぜギャン吠えをするのか分からず,私は真剣に悩むようになりました。

確かにミロのドアホン吠えや要求吠えも近所に迷惑ですが,私なりにご近所との付き合いをしてミロを知ってもらうなどしており,できればやめてほしいけれど,そこまで深刻にはなりませんでした。

ただし,アンのギャン吠えは,その興奮の程度が少し異様な雰囲気を醸し出すことがあり,その場を離れざるを得ないことがありました。また,行く先々で出会う他の犬飼いさんたちに相談してみると,アンの行動について,様々な見解がありました。いわく,飼い主を守っている,なわばり意識,遊びたいだけ,などなど。

犬を4頭飼ってきて,私は初めて,これはプロに任せてみるしかないかなという思いになっていきました。そして「ドッグトレーナー 東京」「犬 しつけ 東京」と検索する日々が始まったのですが,折も折,例のNHKの番組を見たのです。あの番組で,叱るしつけと褒めるしつけを受けて感情を失くしたようになってしまった犬を見て,私は,下手なところにアンを預けられない,自分でまずは勉強しようと思いました。

そうして,アマゾンで書籍を検索して出会ったのが,中西先生の本でした。

 

第3 よりそイズムに出合う

1 前に行く,上に行く,で犬が自分を「上」だと思う?!の違和感

先生の本を読んで一番強く感じたことは,「やっぱりそうか!」の一言でしょうか。特に室内犬と生活してきて,未だ通説判例である,犬は順位付けをするという,あの説に対して,うちの犬のみなさんはあんまり関係ないのではないかと感じてきたことが,どうやら真実っぽいぞ,ということでした。

我が家の犬のみなさんは,飼い主のお腹に乗ってきたり,あごを飼い主の体に乗せたりします。ソファでおくつろぎになられますし,抱っこで飼い主の目線より高くなることもある。散歩中,興味があるものに出会えばぐいぐい前に行こうとします。

しかし,飼い主に向かって唸ったり吠えたり牙をむいたりしたことはありませんし,ソファにいらっしゃるときも「ちょっとどいて」という日本語でどいてくれます。

さらに,アンを迎えて,初めて多頭飼育になり,さて,どちらが「上」になるのかな,と観察していましたが,どうも,いまいち二匹の上下関係が見えてきません。ただただ,冷静でオタクっぽくて,オスワリと言われて座ることに疑問を感じないタイプの兄と,陽気でわがまま,オスワリをすべきか否かを自分で判断する妹,という感じ。

通説に親しんでいない夫は,二匹のことを「こいつらオオカミの血なんかもうないくらい進化してるんじゃないの。どうみてもオオカミじゃない。」とよく言っていました。その夫に中西先生の本の内容を話すと,どや顔をされたのは言うまでもありませんが,オオカミの群れが家族だという説に,私は一票を投じたいと思いました。

 

2 オオカミの「ホントウの話」に憤慨

オオカミの群れが家族だという説がなぜ広まらなかったのかということには,興味をそそられますが,ともあれ,これまで広まらなかったのだから仕方ありません。我が家の犬のみなさんも,オオカミの血を残し,我々を家族のように思っているのかなと考えると,これまで存在すら意識していなかった薄いベールがはがされたようで,犬との関係をクリアに見られるような感覚になりました。

 

3 一緒に寝てもいい!!

アンのことを相談したあるトリマーさんから,一緒に寝るのをやめてみたほうがいい,と言われたことがあったのですが,それはやめられませんでした。特にアンは普通に腕枕で寝ますので,あの癒しの時間は手放せませんでした。

何より中西先生にお会いしてみたいと思わせたのは,オオカミの研究内容に言及した説得力と,この,一緒に寝てもいい!という言葉だったかもしれません。

 

第4 セミナーでの気づき

1 飼い主が変わることで変わる犬との関係

セミナーを受講して,まず思ったのは「私,場違いだったかしら。」でした。特に私のいたグループは,いずれも犬分野を生業とされている,HちゃんとYAさん。そして,何やらイエローストーンに行ってしまうのではないか(実はとっても気になりました。トコさん,何者??!)というパグ飼いのトコさん。無料セミナーでは収穫はない,という妙な確信のもと,受講したこちらのセミナーでしたが,私は,出会った人たちこそ,一番の収穫だったように思います。

ともあれ,思っていた以上に,私自身を見つめなおすセミナーでした。例の分析で,ACが高いことには納得でした。ただ,このことで,セミナー終了時に感想文を書いていたときは,少し過剰に深く考えすぎたかなとも思います。この点については後述したいと思います。

 

2 オオカミとハスキー,オオカミと・・・トイプーとイタグレ。。。

セミナーで一番,おもしろかったのは,何といっても,オオカミとハスキーたちのあとに映し出された,オオカミと,にっこり可愛いトイプーと,ポケッとしたイタグレです。最高でした。

 

3 「要求吠えに無視」が効かなくて夫婦喧嘩

セミナー中,要求吠えに無視をする件について話題になりました。この件は,我が家でもしばらくホットな話題でした。

ミロの要求吠えが,それはそれはすさまじかったのです。私は,通説判例で飼育していましたから,ミロの要求吠えに一切応じず,無視し続けていました。しかし,ミロは,2時間でも3時間でも吠え続け,諦めることを知らないのです。ちらっと様子を見ると,伏せをしてとてもリラックスした体勢で,呼吸に合わせ,吸って,わん,吸って,わん,吸って・・・・。いくらでも吠え続けられるのです。我が家では「持続可能わんわん」「エンドレスわんわん」と呼ばれて恐れられていました。

それでも,今思えばもっと恐ろしいことに,私は通説の信者でしたので,これを無視し続けていました。かわいそう,とも思いませんでした。さすがに見かねた夫が,近所迷惑もあり,私の無視説を否定してきましたが,私はそれが通説判例多数説だと譲りません。ミロの持続可能わんわんは,夫婦の持続可能性を脅かすほどでした。とうとう,夫がミロにうるさい!と一言どなるようになり,そして,アンが来てから,いつの間にかエンドレスわんわんはなくなっていました。きっと,諦めの早いアンに「にいに,うるさい。そんなことしても来ないじゃん。」と言われたのだろうと思います。

 

4 深い話に行き過ぎた?!

実は,私自身も昔,ユングやフロイトをほんの少しかじりかけたことがあり,深層心理系の話には親和性がありました。そんなこともあり,セミナー終了時には,私自身の自己肯定感が低いことから,自己肯定感の高い感じのするアンに何か投影するものがあったのだろうか,と考えていました。

そして,アンのギャン吠えが,私を深刻に悩ませる背景は,次のような点にあるのだろうな,と考えました。それは,アンのギャン吠えが自分のせいだ,ということです。

ものの本を紐解けば,他の犬に吠えるのは,社会化不足,犬に対するトラウマから,などと書かれています。つまり,アンがギャン吠えするのは,私が,アンが子犬のころに社会化をさせきれなかったからだ,あるいは,怖い思いをさせてしまったからだ,ということです。ミロのエンドレスわんわんについて,これが自分のせいだなどと考えたことはありませんでした。しかし,アンのギャン吠えは,どこか私のせいな気がしている自分に気づきました。だから,どこか,深刻に考え,嫌な感じがしていたのだと。

 

第5 セミナー後

1 「アンの個性だよ」

しかし,帰宅後,そんな話を夫にしたところ,言われた一言にハッとさせられ,また,中西先生の言う「犬という種を尊重する」ということの意味が分かった気がすることになります。その一言とは「アンは犬に近づきたいだけ。そっちに行きたいだけ。俺がハーレーを見て興奮してそっちに行きたがるのと同じ。アンはそういう子なの。」というものでした。

なんということでしょう。またしても,やられた!という感じです。ここまでくると,ただでさえ通説に汚染されている私は,犬飼い歴の浅い夫がことごとく核心をついてくることに,本気で落ち込みたくなりました。

確かに,アンのギャン吠えを観察すると,トラウマという感じはしません。「そっちに行きたい」感じです。

中西先生の,過剰に犬を擬人化せず,種として尊重するという考え。散歩で引っ張るのは前に行きたいから。アンという犬を尊重するという姿勢が,少しわかった気がした瞬間でした。

 

2 実践!

その後,セミナー翌日から,リブラ強化&ハッピーターンの実践を始めました。夫に言わせれば,リブラ強化は「人間の和解交渉と一緒。」とのこと。アンにとって吠えることより利益のある条件を提示して,アンと交渉するのだ!仕事だと思え!という旗振りのもと,とびきりおやつの選定を始めました。鶏肉をゆでて,セミナーで頂いたふりかけをかけたものを用意して散歩に繰り出しました。

ゆで鶏は,まあまあアン様のお好みのようでしたが,犬に対するご興味を上回るというほどではありませんでした。ただ,状況によっては交渉がうまくいくこともあり,これまで一週間,ハッピーターンについても「ハッピー走ってすれ違い」「ハッピーその場で交渉」などいろいろと試してみています。

 

第6 パラダイムシフト

1 なんてこの犬は・・・。

そして,ギャン吠えの様子を動画にとって,何度も見ていたのですが,セミナーから2日後,私の中でとうとうパラダイムシフトが起こりました。

はじめは,犬に会うと,いつもはカーブして上がっているしっぽがまっすぐ立って小刻みに振っているな,とか,まなざしはまるで獲物をロックオンしたそれだな,などと,その様子を観察していました。

そして,何度も何度も動画を見ているうちに

(前傾姿勢で,やっぱり,そっちに行きたく行きたくて仕方ない感じだな。)

(筋肉がうねってすごいな。)

(まなざしが鋭いな。)

(・・・・・・。何この犬。やっぱかっこいいな・・・。)

(・・・・!!!)

あれだけ深刻に悩んでいたアンのギャン吠えを,私は純粋にかっこいいと思ったのです。

なんてかっこいいんだろう,と。

自然と涙が出ていました。

イタグレの走る姿がかっこよくて,アンの姿そのものが美しくて,大好きなのですから。

そう思うと,これまでの世界の見え方が一気に変わってきました。

イタグレなのだから!サイトハウンドなのだから!走ってそちらに行きたくなるのは,いわばイタグレたるもののあの在り様ではないか!と。そうすると,だんだんアンのギャン吠え姿が,仕事ができるオンナな感じまでしてくるのです。

しかも,アンは,ノーリードのときは,他の犬を追いかけはしても,追いついて首元をがぶりとすることは,絶対に・・・・・ミロにしかしません(もちろんケガはしません。)。なんて人間の都合に合わせてくれているのだろう!

そこまで考えると,犬が視界に入っているのにそちらに行けないのはストレスだろうなと思い至りました。

そこで,飼い主の「ここでは他の犬に吠えないでほしい」というお願いは本当に必要なのか,よく考えることにしました。

 

第7 「そのお願いは本当に必要か。」

1 我が家の人間のお願い

言い訳がましいことは承知ですが,我が家はいわゆるドッグカフェにお出かけするということはないのですが,人間の限られた休日を利用して,ドッグランに行った後や,大きな公園を散歩して犬のみなさんにお楽しみいただいた後に,アウトレット(人間の洋服を売っている場所)や犬OKのカフェ(人間が飲食する場所)に犬を連れていくことがあります。ですので,車に置いておける季節はいいとしても,そうでないときには,やはり,我が家としては,犬のみなさんに同行することをお願いしたい,という結論になりました。

 

2 犬と交渉してみる

そこで,現時点で,アンと合意可能な条件を次のように考えています。

①人間の買い物をするときには,ペットカートにご乗車いただいて,周りが見えないように目隠し致します。もちろん夏場はクーラーボックス状態にさせて頂きます。

②普段の散歩中は,とびきりおやつを常に持参し,ハッピーな何かを遂行させていただきます。

③非常時の備えにつきましては,人間らがキャンプを覚えるか,車中泊を快適にする施策を実施いたします。平素は,ハウスでおとなしくしていただき,誠にありがとうございます。

④犬のみなさまの本能の発露のため,ルアーコーシングに今こそ本当に参加させていただきます。もちろん,アン様がお気に召さないイベントであれば,即時中止いたします。

 

2 結局すべて人間のエゴから始まっていることを認める

セミナー中,少し気になったのは,Y.Aさんのシュシュのお話でした。あたかも,シュシュのハッピーを理解しないパグ飼いの友人であれば,Y.Aさんがそこは決断すべきだという雰囲気に,少し違和感を持ちました。

そもそも,犬が嫌いな人間もいる人間社会で犬と暮らすという決断そのものが,人間のエゴから始まっている以上,できるかぎり,犬のやりたいことをやる自由を尊重するとしても,常に人間のエゴと天秤にかけないといけないのではないか。

とすれば,友人をきることはしないという決断をするとしても,そのような決断をしたその人を,犬を尊重しきれていないかのように見がちになってしまうのは,結局,人間のエゴを否定することになるのではないかな,と思いました。今更,それはあなたのエゴだと言っても,ええそうですね,となるような気がします。

 

第8 限られた時間を共に生きるということ

中西先生に直接お話したことですが,先生の本の中で,アクセルさんが先生に「この点滴はいらないよ」と伝えてきたというお話に,とても感動しました。ミロとアンが,このようなSOSを出してきたときに,しっかりと受け取れる飼い主になりたい。心からそう思います。

かなり高い確率で先に旅立つ我が家の家族のみなさんが,少しでも幸せであるように,私も幸せであるように,共に生きていきたいと思います。

 

さいごに

昨日は,キャンピングカーフェアに行きました。

アンのギャン吠えはまだなくなっていませんが,もう「犬 しつけ 東京」で検索することはないと思います。

 

おまけ

※弁護士が考える愛犬との交渉術※

  • 吠えるか吠えないかと決めるのは犬。←人間の交渉でも実はとっても重要。誰に物事の決定権があるのか。お金の請求をするとき,実は払うか払わないか決めるのは債務者。どういう条件なら払ってくれるのか。

 

犬飼アンジェラ(以下「甲」という。)と犬飼家人間ら(以下「乙ら」という。)は,本日,以下のとおり合意した(かもしれない)。

1 乙らは,甲が,本書外犬飼ミロを除く全ての犬(以下「他犬」という。)に対して,犬としての欲求を発現する行為(以下「本件行為」という。)を行う権利を尊重する義務があることを認める。

2 甲は,乙らが,甲の指定する特別報酬を提供するときは,本件行為を行わない,または中止するものとする。

3 甲は,何らの事前通知なく,特別報酬の内容を変更することができる。

4 乙らは,甲に対し,甲が他犬を視界に認めたにも関わらず,本件行為を行わず,又は即時に中止したときは,すみやかに同所において前項所定の特別報酬を交付する。

5 甲及び乙らは,本件行為に関し,本合意書に定めのない事項に関しては,よりそイズム®に基づき,甲乙が協議して,もとい,もっぱら乙らが譲歩して解決するものとする。

犬飼けいこ